個人ゲーム制作初心者ガイド|組織に属さず「個人」でゲームをつくる利点

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「自分だけのゲームを作ってみたい」

という方は多いのではないかと思います。

僕もそんな妄想を抱いていた一人で、子供時代はドラクエ6やクロノトリガーにワクワクするよりも「自分だけの物語を作りたい」「自分だったらこうしたい」と思いながら遊んでいたものです。

それからちょっとして、スーパーファミコンでRPGツクール2が発売されました。

「プログラミング知識がなくても、かんたんにゲームが作れる」というカセット。

これが僕とツクールの出会いでした。ちなみに当時は設定を考えるだけ考えて何も作りませんでした、とほほ。

それから約30年…。

ゲームを作ること、ゲームを公開することがとてもカンタンな時代になりました。

個人が趣味で作った作品がネットで人気に火がつき、映画化、アニメ化、漫画化して話題になるケースも珍しくありません。

有名なのは「青鬼」「8番出口」などでしょう。

青鬼は2004年に個人のウェブサイトで公開されたRPGツクールXP製のフリーゲームで、ニコニコ動画でのゲーム実況をキッカケに話題になり、その後の躍進は前述のとおりです。

前置きが長くなりましたが、当サイト(とYouTube)では、組織に属さず個人でゲームを作るのに役立つ情報を発信しています。

今回は、「個人で」ゲームを作ることのメリット・ぶつかりやすい壁などを解説します。

個人ゲーム制作3つのメリット

自由

個人での創作は、内容もボリュームも自由です。

5分の短編だろうと、非王道的だろうと、法律とプラットフォーム規約に違反しないなら何でもOK※著作権違反はダメよ

うるさいクライアントも上司もいません。

たとえばフリーゲーム公開プラットフォームのふりーむ!では、1プレイ5分~10分のショートゲームがどんどん投稿されていますし、逆にクリアに20時間以上かかる大作ゲームも公開されています。

低コスト

個人ゲーム制作は0円からスタートできます。

たとえば、フリーゲーム制作者に人気なティラノビルダーやWOLF RPGエディターは基本無料で使えます。僕が推奨しているRPGツクールMZの場合、セール時で3,000~5000円ぐらい。

まずは無料でスタートして、徐々に有料素材などを買い足すのもいいっすね。

ビジネスチャンス

個人ゲームは意外と儲かります。

お客に販売した金額からプラットフォーム利用料を差し引いた額がそのまま利益になるからです。

たとえば1,000円で販売したゲームが売れて、プラットフォーム利用料30%支払うと利益は700円。100本売れれば7万円、1000本売れれば70万円ですね。

価格設定も自由なので100円でも9,000円でもOK。極端な例ですが1本30万円に設定すれば(※実際そういうゲームがある)月1本売れただけで十分生活ができます。

ゲーム自体の販売だけでなく、サントラや設定資料集、キャラクターグッズを売っている人もいるし、ゲーム制作者向けにイラスト素材やプログラムを売って稼いでいる人もいます。

3つの壁

ここまで「個人」のメリットを挙げてきましたが、何事にもデメリットがあります。

個人でのゲーム制作でぶち当たりやすい壁は以下3つです。

知識を得るのがむずい

個人創作では、分からないことを自力で調べる必要があります。

たとえば制作中にバグが出たとき、チームや会社に属していれば「このバグの原因分かる?」とすぐに隣の同僚なり上司に聞くことができますが、個人ではその同僚や上司がそばにいません。

本を買うなり、ネットで調べるなりして、自分でバグの原因を見つける必要があります。

例えばRPGツクールでの問題はツクールフォーラム等で検索したり、質問を投げかけてみると回答が得られるかもしれません(ちなみに僕は一度もこの手のフォーラムは利用したことがないです)

AIに回答を求めるのもいいでしょう。ChatGPTやClaudeに聞けば大抵の問題は一発で分かりますし、ClaudeCodeやCodexをつかえばツクールのプロジェクトやデータベースを診断してもらったうえで回答をもらうこともできます。

スキルを得るのがむずい

個人制作では様々なスキルが要求されます。

プログラミング、レベルデザイン、シナリオ力、イラスト、音楽、3DCG…etc.

チームなら分業しておこなっているであろうこと、個人制作者はすべて引き受けなくてはいけません。そして当然ながら、これらすべてのスキルをまとめて得るのは大変です(もちろん無理ではない)

初心者は、どれを自分がやって、どれをやらないのか決めておくのがおすすめ。

例えば、シナリオとイラストは自分で作るけど、音楽はAIでつくるか素材を買う…などですね。

数あるスキルの中でもとくに障壁が高く習得に時間がかかるのは、プログラミング、イラスト、音楽でしょう。

それらのスキルに自信がないなら、前述したRPGツクールMZのようにプログラミング不要で、あらかじめ素材が用意されているツールを利用することをおすすめします。

メンタルと時間管理が超むずい(最重要)

個人創作の最大障壁は「メンタルの問題」と言って過言ではありません。

僕のように24時間365日暇人はさておき、多くの方は日々の学業や仕事の隙間時間にゲームを作ることになることと思いますが、それは中々大変。

自己啓発本などでは「情熱があればできる!」「好きなことなら続く!」という雑なアドバイスも目立ちますが、それは言うは易く行うは難しです。

たとえば、疲れ果てて帰宅して、いざ自由な時間が訪れたものの、ついYouTubeショートやTikTokを見てる間にもう就寝時間…そんな経験はあなたにもあるのではないでしょうか。ワシはめちゃくちゃ思い当たります。

こんなとき「情熱」や「好きな気持ち」を行動原理にしようとする人は心が折れやすいです。

「出来なかった」という結果を「情熱がなかったからだ」「自分はゲーム制作が好きではないんだ」と変換し自己嫌悪になるから。

実際、バーンアウトの研究などを見ると、感情と現状のギャップが大きい人ほど燃え尽き症候群になりやすいことが分かっています。

(参考:なぜ私たちは燃え尽きてしまうのか / ジョナサン マレシック)

でも心理学を学んでいれば「ま、こんな日もあるわな」と受け流せるようになります。

当サイトではそういうメンタル管理術、時間術等についても解説しているので、思い当たる場合はチェックしてみてください。

個人ゲーム制作の手順

個人ゲーム制作の手順は以下5ステップがおすすめです。

構想 ― どういうゲームを作るかを考える

RPG、ギャルゲーのようにジャンルから入るもよし、「おっさんが空中で爆発するシーン」のように一つのアイデアから展開するもよしです。

おすすめは紙のノートとペンにアイデアや構想を書いてみること。

紙(アナログ)の利点は「記憶に残りやすい」「サッと見返しやすい」「ネットやメールの誘惑がない」点にあります。もちろんデジタルの方がいいならデジタルでもオーケーです。お好みで。

準備 ― スケジュールを立てる

1日の中で創作に当てれる時間を確保しブロックしましょう。

ポイントは「短い時間」「小さなアクション」からスタートすること。

例えば以下のようなかんじ。

  • 夜20:00になったらタイマーを5分スタートする
  • タイマーがスタートしたらRPGツクールMZを起動する

まずはこれぐらいバカバカしくなるぐらい小さなアクションからスタートしましょう。

逆に絶対やってはいけないのが「毎日4時間」「睡眠時間を削る」などの無茶なスケジューリングです。

そのような予定の立て方は筋トレ初心者がいきなり100キロのバーベルを持ち上げようとしているようなもので、ほぼ確実に破綻します。そしてその破綻は「どうせ自分にはできない」という自己否定につながってしまいやすいです。

迷ったら「風邪を引いててもできるか」「2カ月間確実に続けられる難易度か」で考えてみてください。

「体調が良いときしかできない」「やる気があるときしかできない」のはNGです。

収集 ― 必要な情報や素材を集める

分かってる範囲でいいので必要になりそうな情報や素材を集めます。

たとえば「アクションRPGを作りたい」→「でも作り方が分からない」ならアクションRPGのつくり方を解説しているサイトなどをリストアップしておくと、制作中に詰まりにくいのではないかと思います。

BGMやキャラグラフィックが必要なら、事前に用意しておくのもいいでしょう。ツクール等を利用するなら、あらかじめ用意されている素材からスタートするのも悪くありません。

実行 ― 実際にゲームを作る

構想をもとに、ゲームを作っていきます。

たとえばRPGツクールMZでは以下の順番で進めていきます。

  1. シナリオ ― STEP1をもとにキャラやプロットを考える
  2. 素材 ― STEP2/3で集めた情報や素材に足りないものを用意する
  3. データベース ― キャラクターやアイテムのデータを作成
  4. マップ ― ゲームの舞台を作成(村やフィールドなど)
  5. イベント ― ゲーム内の出来事を作成(会話や戦闘など)
改善と学習 ― 壁にぶち当たったら学ぶ

ゲームを作っていれば必ず壁にぶち当たります。

言わずもがな、初心者のうちはとくに壁にぶつかります。その壁を学習や工夫で乗り越えていかなくてはいけません。

壁を乗り越えると、その経験は知識になりスキルに変化します。

壁にぶち当たったときは、前述したようにフォーラムで聞いたり、AIに聞いてみると良いでしょう。

ただし、その場合は「自分がどういう状況で、何ができないことに困っているのか」をちゃんと言語化することが必要になります。とくに人にたずねるときはそれができてないと嫌がられるのでご注意を。

大事なマインド

最後に、個人でゲームを作るうえで「持っておくといいマインドセット(価値観)」をご紹介します。

一歩でも進んでいる感覚を作る

行動心理学では、モチベ維持には「一歩でも改善している・進んでいる感覚」が大切だと言われています。

思い当たる節がある方も多いのではないでしょうか。何の成果もない、何の成長もないことを淡々と続けられるほど人は強くはありません。

例えば、改善や工夫を悪として取り締まった旧ソ連では、離職率や自殺率が上がったという話もあります。

一歩でも進んでいる感覚を得る方法としておすすめなのは「記録」です。

  • 作業にとりかかれた日はカレンダーに丸をつける
  • 毎日、寝る前に一日を振り返る日記をつける

など、かんたんなことで構わないのでログをとってみましょう。

お金で時間やスキルを買う

リターンがあることにお金と時間をつかうことも大切です。

例えばゲーム制作では以下のようなことにお金を投じることで、作品のクオリティを上げつつ時間を確保できます。

  • 素材:キャラ絵、背景素材、音楽など
  • AIツール:画像生成、動画生成、音楽生成、コード生成など
  • 知識やスキル:シナリオの本やゲーム制作チュートリアル講座など

もちろん、リターンに見合わないお金の使い方はよくありません。

たとえば「僕が考えた最高のゲームノウハウを4万円で教えよう」みたいなのは金額に見合わないことが多いので、一般的な書籍(3,000円以下ぐらい)が適量だと思ってください。

まとめ

  • 個人ゲーム制作が良い理由:自由・低コスト・ビジネスチャンス
  • :知識を得るのむずい・スキルを得るのむずい・メンタルと時間管理むずい
  • 手順:構想→準備→収集→実行→改善と学習
  • マインド:一歩でも進んでいる感覚 / お金で時間やスキルを買う

個人がゲームを作りやすくなっている時代です。

ぜひこの機会にゲーム制作始めてみてはいかがでしょうか。

どうぞ参考程度に。