今回は、RPGツクールの超初心者向けに「スイッチ」と「セルフスイッチ」の違いを解説します。
ゲームのイベントを作るうえで、スイッチは欠かせない機能です。ただ、最初のうちは通常のスイッチとセルフスイッチの違いが分かりにくいかもしれません。
結論から言うと、通常のスイッチは別のイベントにも影響できます。一方で、セルフスイッチはそのイベントの中だけで使うスイッチです。
では、スイッチとは何か、どんな場面で使うのか、セルフスイッチとどう使い分けるのかを順番に見ていきます。
1. スイッチはフラグのこと

スイッチとは、簡単に言うと「フラグ」です。
たとえば「死亡フラグが立つ」という言い方がありますよね。それと同じように、あるイベントが起きたときにスイッチをオンにして、別のイベントの動きを変えます。
RPGツクールでは、イベントコマンドの1ページ目「ゲーム進行」に「スイッチの操作」と「セルフスイッチの操作」があります。間に変数もありますが、変数は別回で解説します。
「スイッチの操作」を選ぶと、スイッチをオンにするかオフにするかを指定できます。番号を選んで名前をつければ、そのスイッチをイベントの条件に使えるようになります。
名前は何でも大丈夫です。あとで見たときに分かりやすければ問題ありません。
モブコに話しかけるとモブオがゾンビになる例

例として、モブコに話しかけると、別のキャラであるモブオがゾンビになるイベントを考えてみます。
モブコのイベントで「モブオゾンビになる」というスイッチをオンにします。そして、モブオのイベント側では2ページ目を作り、出現条件にそのスイッチを設定します。
2ページ目でモブオの画像をゾンビに変えておけば、モブコに話しかけた瞬間にモブオの見た目が変わったように見えます。
逆にスイッチをオフにすれば、条件が満たされなくなり、モブオは1ページ目に戻ります。これがスイッチの基本的な考え方です。
2. スイッチが使える場面
スイッチは、イベントの状態を切り替えたいときに使います。
たとえばキャラクターのグラフィックを変えたり、ボス戦後に敵キャラを消したり、条件によってセリフを変えたりできます。
グラフィックを変更する
先ほどのモブオの例のように、スイッチのオン・オフでキャラクターのグラフィックを切り替えられます。
「通常の姿」と「ゾンビの姿」のように、状態によって画像を変えたいときに便利です。
ボス戦後にキャラを消す
RPGでボス戦を作ったとします。
戦闘が終わったあとに敵キャラを消したい、あるいはもう一度戦えないようにしたい場合にも、スイッチを使えます。
たとえば3ページ目のイベントページを作り、出現条件に「モブオ討伐」というスイッチを設定します。そのページで画像を指定しなければ、スイッチがオンになった瞬間にモブオが消えます。
画像を残してセリフを「あんた強いなあ」に変えれば、戦闘後にセリフだけ変化する演出にもできます。
条件分岐でセリフを変える
イベントコマンド1ページ目「フロー制御」の「条件分岐」でもスイッチを使えます。
たとえば「モブオ討伐」がオンのときとオフのときで、モブコのセリフを変えられます。
「条件を満たさない時の分岐も作成」にチェックを入れておくと、オフの場合の処理も書けます。スイッチの状態によって会話内容を変えたいときに使いやすいです。
コモンイベントで使う

データベースの「コモンイベント」でもスイッチを使えます。
トリガーを「自動実行」にしてスイッチを指定すると、そのスイッチがオンになった瞬間にコモンイベントが自動で実行されます。
ただし、自動実行には注意が必要です。条件を満たしている限り、同じ処理がずっと発動し続けます。
そのため、コモンイベントでスイッチを使うときは「オンにしたあと、オフにしてもいいイベント」に使うのが基本です。
たとえば敵に捕まったときに「捕まった」スイッチをオンにして、やられた演出を出し、スタート地点に戻す。戻ったあとにスイッチをオフにする。こういう流れなら使いやすいです。
3. 出現条件の設定忘れに注意する
複数ページのイベントを作るときは、出現条件の設定忘れに注意してください。
RPGツクールのイベントは、出現条件が同じ場合、ページ番号が大きいほうが優先されます。
たとえば3ページ目の出現条件を設定し忘れると、1ページ目と3ページ目の出現条件がどちらも「なし」になります。すると、いきなり3ページ目が表示されてしまいます。
イベントが変な動きをしているときは、まず出現条件を確認してみてください。原因になっていることが多いです。
ほかにもスイッチを使える場所がある
スイッチは、イベントページ以外でも使えます。
- 敵グループのバトルイベント条件
- イベントコマンド2ページ目の「移動ルートの設定」
いろいろな場面で、スイッチのオン・オフによる切り替えができます。まずは触って確認してみるのが分かりやすいです。
4. セルフスイッチはそのイベント専用のスイッチ

セルフスイッチは、名前の通り「セルフ」、つまり自分用のスイッチです。
イベントコマンド1ページ目の「セルフスイッチの操作」を選ぶと、A・B・C・Dの4つをオン・オフできます。
通常のスイッチと違って、セルフスイッチはそのイベントの中でだけ有効です。
宝箱の例

セルフスイッチの代表例は宝箱です。
宝箱のイベントでは、1ページ目でアイテムを手に入れたあと、セルフスイッチAをオンにします。そして2ページ目の出現条件を「セルフスイッチA」にして、開いた宝箱のグラフィックに変えます。
この仕組みなら、その宝箱だけを「開いた状態」にできます。
5. 通常のスイッチとセルフスイッチの違い

通常のスイッチとセルフスイッチの決定的な違いは、イベント間を横断できるかどうかです。
通常のスイッチは、イベント間を横断できます。モブコのイベントから、モブオのイベントを変えられたのがその例です。
一方で、セルフスイッチはイベント間を横断しません。
ある宝箱でセルフスイッチAをオンにしても、隣の宝箱のセルフスイッチAはオンになりません。セルフスイッチは、そのイベントの中だけで有効だからです。
コモンイベント経由の場合
ただし、コモンイベントでセルフスイッチAをオンにして、それを別のイベントから呼び出した場合は、通常通りオンになります。
コモンイベントは、フォルダーのようなものだと思ってください。フォルダーの中身が、そのイベントの中で実行されます。
つまり、呼び出したイベント内でセルフスイッチAをオンにしたのと同じことが起こります。
6. 基本的にはセルフスイッチを優先する
僕は、通常のスイッチを使うことはあまりありません。ほとんどをセルフスイッチで作っています。
理由は、通常のスイッチが増えるほど管理が大変になるからです。
スイッチが100個、200個と増えてくると、途中で番号を入れ替えたいときにかなり面倒です。万が一番号が変わると、関係するイベントを全部直さなければいけないこともあります。
たとえば宝箱を通常のスイッチで管理すると、「宝箱1を開けた」「宝箱2を開けた」「宝箱3を開けた」というように、スイッチがどんどん増えていきます。
セルフスイッチなら、それぞれの宝箱イベント内で完結します。ほかのイベントに干渉させる必要がないなら、セルフスイッチで十分です。
他のイベントに影響させたいときだけ通常のスイッチを使う
通常のスイッチを使うべきなのは、ほかのイベントに影響させたいときです。
たとえば、モブオを討伐したあとにモブコのセリフを変えたいなら、通常のスイッチを使う理由があります。
逆に、そのイベント内だけで状態を変えたいならセルフスイッチで問題ありません。
1年後の自分が分かる作りにする
作品の公開を考えている人は、あとから見ても分かる作りにしておくことが大事です。
たとえば公開してから半年、1年はあまり売れなかったゲームが、1年後に急にバズって売れたとします。そのときにバグ報告が来たら、1年前に作ったスイッチの仕様を思い出さないといけません。
このとき、スイッチが大量にあって複雑に絡み合っていると、確認するだけで大変です。
基本的には「Aと言ったらB、Bと言ったらC」くらい簡単に分かる仕様にしておいたほうが、あとで直しやすくなります。
ゲームの種類にもよるので絶対のルールではありませんが、スイッチや変数はなるべく少なく管理したほうが、バグは起きにくいです。
7. スクリプトならセルフスイッチを横断できる
セルフスイッチはイベント間を横断できない、と説明しました。
ただし、スクリプトを使うと、別のイベントからセルフスイッチを操作できます。
イベントコマンド3ページ目の「上級」にあるスクリプトに命令を書くことで、たとえばイベントID2番のセルフスイッチAをオフにするといった操作ができます。
スクリプトは少し上級的な内容なので、今回は詳しくは扱いません。別途「RPGツクールMZスクリプト入門」で解説しています。
今の時代はAIでスクリプトの指示も出しやすいので、「そういうこともできる」と覚えておくと十分です。
まとめ
- スイッチはフラグであり、オン・オフでイベントの挙動を切り替える機能
- 通常のスイッチは、あるイベントから別のイベントに影響できる
- セルフスイッチは、そのイベント内だけで有効になる
- セルフスイッチにはA・B・C・Dの4つがある
- 出現条件が同じ場合、ページ番号が大きいほうが優先される
- 自動実行のコモンイベントでスイッチを使うときは、オンにしたあとオフにする
- 基本的にはセルフスイッチを使い、ほかのイベントに干渉させたいときだけ通常のスイッチを使う
- スイッチや変数は、なるべく少なく管理したほうがバグが起きにくい
まずは「イベント内で完結するならセルフスイッチ」「別イベントにも影響させるなら通常のスイッチ」と考えると、使い分けやすくなります。

