今回は、RPGツクールMZで普段は縦一列に並んでいるパーティーを、イベントシーンの間だけ横一列や三角形などの配置に変える方法を紹介します。
イベントが終わったら、仲間は再びプレイヤーの後ろへ集まり、元の隊列歩行へ戻ります。

作り方は次の2通りです。
- イベントコマンドで、仲間に見立てたダミーイベントを動かす方法
- スクリプトで、実際のフォロワーを直接動かす方法
今回に関しては、イベントコマンドで作る方が圧倒的に簡単で、動きも直感的に組みやすいです。まずはイベントコマンド版を解説し、最後にスクリプト版も掲載します。
1. フォロワーと隊列歩行の基本
プレイヤーの後ろに並んで歩く仲間を、RPGツクールMZではフォロワーと呼びます。
フォロワーがプレイヤーの後ろに表示されている状態が「隊列歩行ON」、仲間がパーティーにいてもマップ上には表示されない状態が「隊列歩行OFF」です。
ゲーム全体の初期設定は、データベースの「システム1」→「オプション」→「パーティーの隊列歩行」で変更できます。今回は普段の移動中に仲間が縦一列で表示される想定なので、ここはONにしておきます。
2. イベントコマンド版で用意するもの
マップ上には、次の4つのイベントを用意します。
- イベント全体を進める「メイン」
- 会話相手になる「ボス」
- 2人目の仲間に見立てるダミーイベント
- 3人目の仲間に見立てるダミーイベント
「2人目」と「3人目」は、実際のフォロワーではありません。イベントシーンの間だけ仲間の画像を表示し、フォロワーの代わりとして動かすためのイベントです。

動画では、質問内容に合わせてメインイベントのトリガーを「自動実行」にしています。同じ仕組みは、決定ボタンやプレイヤーからの接触で始まるイベントにも使えます。
3. プレイヤーをイベント位置まで移動させる
まず、イベントコマンド2ページ目の「移動ルートの設定」を使い、プレイヤーをイベントの開始位置まで移動させます。今回の例では上へ3マスです。

移動ルートの先頭には「すり抜けON」を入れておくと安全です。
移動先にイベントや通行できない場所があると、「完了までウェイト」が有効な移動ルートはそこで止まり、イベント全体が進まなくなることがあります。イベントの最後では「すり抜けOFF」に戻します。
4. フォロワーをプレイヤーの位置へ集める
続いて、イベントコマンド2ページ目の「キャラクター」にある「隊列メンバーの集合」を実行します。

これで、プレイヤーの後ろにいたフォロワーがプレイヤーのマスへ集まってきます。
次に「イベントの位置設定」を使い、ダミーイベントの「2人目」と「3人目」も、現在プレイヤーがいるマスへ移します。今回の例では、どちらも向きを上に合わせています。
この時点では、プレイヤー、実際のフォロワー、ダミーイベントが同じ場所に重なっています。
5. 隊列歩行をOFFにしてダミーイベントへ切り替える
イベントコマンド2ページ目の「隊列歩行の変更」で、隊列歩行をOFFにします。
これで実際のフォロワーがマップ上から消えます。ただし、パーティーメンバーそのものが外れるわけではありません。メニューを開けば、仲間はそのまま残っています。
ここからは、同じマスに重ねておいたダミーイベントを、仲間のように動かします。
6. 2人目と3人目を左右へ移動させる
「移動ルートの設定」で、2人目を次のように動かします。
すり抜けON
画像の変更:2人目の仲間画像
左に移動
上を向く

3人目は反対側へ動かします。
すり抜けON
画像の変更:3人目の仲間画像
右に移動
上を向く

これで、プレイヤーを中央にして3人が横一列に並びます。左右や斜めへ移動するマス数を変えれば、三角形やひし形などの配置にもできます。
仲間画像をいつ表示するか
ダミーイベントのイベントページへ、最初から仲間の画像を設定する方法でも動きます。
ただし、マップが狭かったり仲間が多かったりすると、イベント開始前のダミーが画面端に見えてしまうことがあります。その事故を避けたい場合は、ダミーイベントを画像なしで置き、移動ルート内の「画像の変更」で仲間画像を表示する方法が安全です。
「すり抜け」の設定場所
ダミーイベントがこのイベントシーンでしか登場しない場合は、イベントページの「すり抜け」をONにしても構いません。
イベント終了後もそのキャラクターをマップ上に残し、話しかけられるNPCとして使いたい場合は、イベントページの「すり抜け」をOFFにしておきます。その場合は、必要な移動ルートの中だけ「すり抜けON」を使い、処理後にOFFへ戻します。

7. 2人を同時に動かす方法
移動ルートをそのまま2つ並べると、2人目が移動し終わってから3人目が動き始めます。
2人を同時に左右へ広げたい場合は、先に実行する2人目の移動ルートで「完了までウェイト」をOFFにします。すると2人目の移動完了を待たずに、次の3人目の移動ルートが始まります。

ダミーイベントを使う方法の良いところは、仲間ごとに独立した動きを付けやすいことです。
たとえば、1人だけ向きを変える、ジャンプさせる、くるくる回すといった演技も、それぞれの移動ルートへ追加できます。
8. イベント終了後に元の隊列へ戻す
イベントが終わったら、左右へ広げたダミーイベントをプレイヤーの位置へ集めます。
今回の配置では、次のように戻します。
- 2人目:右上へ移動
- 3人目:左上へ移動
ここでも同時に動かしたいので、先に実行する2人目の「完了までウェイト」はOFFにします。
ダミーイベントがプレイヤーの位置へ戻ったら、次の処理を行います。
- 2人目と3人目を「透明化ON」にする
- 「イベントの位置設定」で、2人目と3人目を元の待機場所へ戻す
- 「隊列歩行の変更」をONにする
- プレイヤーの「すり抜け」をOFFに戻す

透明化だけでも見た目上は消せますが、透明なイベントはそのマスに残り続けます。すり抜けがOFFなら、見えない壁になってプレイヤーやNPCの移動を妨げる可能性があります。
そのため、より安全なのは「イベントの位置設定」でダミーイベントを元の場所へ戻す方法です。動画の例では、透明化と位置の復帰を両方行っています。
トリガーを「自動実行」にした場合は、最後に「イベントの一時消去」も入れます。これがないと自動実行が最初から繰り返されます。
9. 移動中にイベントが止まる場合
テストプレイでイベントが途中停止したら、最初に「すり抜け」を確認します。
動画内のテストでは、3人目のダミーイベントがプレイヤーのいるマスへ移動しようとして衝突し、移動ルートが完了できずに止まりました。
対処方法は次のどちらかです。
- 移動ルートの先頭へ「すり抜けON」を追加する
- ダミーイベントのイベントページで「すり抜け」をONにする
「完了までウェイト」が有効な移動ルートで、キャラクターがその場から動かなくなった場合は、移動先の通行可否と衝突を疑ってみてください。
10. スクリプトで実際のフォロワーを動かす方法
スクリプトを使えば、ダミーイベントを置かず、実際のフォロワーへ直接移動ルートを設定できます。
イベントコマンドの「スクリプト」に、次のコードを貼り付けます。
const f1 = $gamePlayer.followers().follower(0);
const f2 = $gamePlayer.followers().follower(1);
$gamePlayer.setDirection(8);
if (f1) {
f1.forceMoveRoute({
list: [
{ code: Game_Character.ROUTE_MOVE_LEFT },
{ code: Game_Character.ROUTE_TURN_UP },
{ code: Game_Character.ROUTE_END }
],
repeat: false,
skippable: true,
wait: false
});
}
if (f2) {
f2.forceMoveRoute({
list: [
{ code: Game_Character.ROUTE_MOVE_RIGHT },
{ code: Game_Character.ROUTE_TURN_UP },
{ code: Game_Character.ROUTE_END }
],
repeat: false,
skippable: true,
wait: false
});
this._character = f2;
this.setWaitMode("route");
}

follower(0)はプレイヤーの次に並ぶ2人目、follower(1)は3人目を指します。プログラム上の番号が0から始まるため、画面上の2人目が0、3人目が1です。
コード内では、2人目を左へ移動、3人目を右へ移動させ、最後にどちらも上を向かせています。
プレイヤーだけを移動させる
フォロワーを左右へ広げた後、通常の「上に移動」でプレイヤーを動かすと、フォロワーが再びプレイヤーについてきます。
プレイヤーだけを上へ移動させたい場合は、「移動ルートの設定」で対象をプレイヤーにし、移動コマンドの「スクリプト」へ次の1行を入れます。
Game_CharacterBase.prototype.moveStraight.call(this, 8);

イベントの最後は「隊列メンバーの集合」を実行すれば、左右へ移動したフォロワーがプレイヤーの位置へ戻ってきます。
11. イベントコマンド版とスクリプト版の使い分け
| 方法 | 向いている用途 | 特徴 |
|---|---|---|
| イベントコマンド版 | 会話シーンやボス戦前など、その場だけの演出 | 仲間ごとの動きを画面上で組みやすい。ダミーイベントが必要 |
| スクリプト版 | 隊列の形そのものを継続的に変えたい場合 | 実際のフォロワーを直接動かせる。プレイヤー移動にもスクリプトが必要 |
イベントシーンで仲間に別々の演技を付けるなら、イベントコマンド版の方が扱いやすいです。
一方、通常の隊列を縦並びではなく三角形にするなど、一度仕組みを組んだ後はあまり変更しない用途なら、スクリプト版も選択肢になります。
まとめ
RPGツクールMZで、イベント中だけパーティーの並び方を変える流れは次のとおりです。
- 隊列メンバーをプレイヤーの位置へ集合させる
- 仲間役のダミーイベントも同じ位置へ移す
- 隊列歩行をOFFにして、実際のフォロワーを隠す
- ダミーイベントを左右や斜めへ動かす
- イベント終了時にダミーをプレイヤーの位置へ戻す
- ダミーを透明化し、元の場所へ移す
- 隊列歩行をONに戻す
移動ルートが止まる時は、まず「すり抜け」の設定を確認してください。複数人を同時に動かす時は、先に動かすキャラクターの「完了までウェイト」をOFFにするのがポイントです。
イベントコマンド版なら、横一列だけでなく三角形やひし形にも応用できます。仲間ごとにジャンプや方向転換を追加し、イベントシーンに合った立ち位置と演技を作ってみてください。

