RPGツクール初心者がまずやるべきことは、大きく分けると4つあります。
最初に知識を得ること。次に、作りながら覚えること。分からないことをその都度調べること。そして、できるようになってきたら手間を減らす工夫をすることです。
順番に見ていきます。
1. まずは学習して知識を得る

最初のステップは「学習」です。読んで字のごとく、まずは学ぶことです。
初心者の方は、最初は知識がありません。知識が足りないので、何かを作る前に、必要なことを学んで知識を得る必要があります。
これは少し耳が痛い話かもしれません。ただ、スキルも知識もない状態で何かを形にするのはかなり難しいです。だから、まず何かを学ばなくてはいけません。
とはいえ、あまり身構えなくても大丈夫です。何をどう学ぶかによって、負担はかなり変わります。
間違った方向に走らないために学ぶ
学習が大事なのは、間違った方向に走らないためです。
たとえば、みんなで一斉にスタートして全力で走ったとしても、ゴールとは逆方向に走ってしまったら意味がありません。むしろ、ゴールから遠ざかってしまいます。
行動すること自体は大事です。ただし、学習を伴っていない行動はマイナスになり得ます。
だからこそ、まずは最低限の知識を入れてから動くことが大事です。
2. 適当でいいから作りながら覚える

僕が推奨するのは「作りながら覚える」やり方です。
そして、作りながら覚えるなら、最初は簡単なものから入るのがいいです。その意味で、RPGツクールは初心者が学習しながらゲームを作るのに向いているツールです。
まずはRPGツクールを使いながら、手を動かして学んでいくのが良いと思います。
完璧主義に陥らない
「勉強し終わってから作ろう」と考えると、完璧主義に陥りがちです。
永遠に「明日から本気出す」状態になって、設定を考えるだけで時間が過ぎたり、学習にずっと時間を使ってしまったりする。そうなると、肝心の作品がいつまでも出来上がりません。
いわゆるエターナル状態です。
そこから抜け出すのは大変なので、最初から「作りながら覚える」と決めてしまう方がいいです。
最初の内容は本当に適当でいい
最初に作るゲームの内容は、本当に適当でいいです。
僕が最初に作ったゲームは、主人公の名前が「たけし」でした。イベントが始まると、いきなり犬に話しかけられて戦闘が始まる。その犬を倒すと学校の中を歩き回れるようになる。学校の中で適当な部屋に入ると男がいて、その男が女子室を覗こうとしていて、「俺のために一緒に仲間になってくれ」と言われ、一緒に女子室を覗きに行く。
そんな行き当たりばったりのゲームでした。
最初は、それぐらいでいいと思います。落ちも決めない。内容も決めない。キャラクターも決めない。とりあえずその場でポチポチとイベントを継ぎ足していく。
そうやっているうちに、頭の中にアイデアが出てきます。
作り込まない
ここで大事なのは、作り込まないことです。
もちろん、簡単な設定ぐらいは作ってもいいです。主人公は誰なのか。その人はどこへ行って、何をするのか。その程度で十分です。
以前紹介した「初めてのお使い法」という技法があります。漫画家の佐藤秀峰さんが『漫画脚本概論』という本の中で提唱している、短編漫画を作るためのノウハウです。
主人公に何かお使いのお題を与えて、そのお使いを果たすまでのクエストを埋めていく。そういう作り方でもいいですし、本当に行き当たりばったりでも構いません。
まずは、とりあえず何かを作ってみることです。
最初は公開を考えない
特に最初は、公開することを考えない方がいいです。
公開を考えると、外からの評価が報酬になってしまいます。
有名な話として、絵を描くのが好きな子供にお小遣いをあげると、絵を描くこと自体への興味が薄れてしまう、という話があります。自分の内側から出てくる楽しさで没頭しているところに、外的な評価が入ると、やる気がなくなることがあるわけです。
だから最初は、公開や評価のことを考えずに作ってみるのがいいと思います。
3. 分からないことはその都度調べる

ゲームを作りながら学んでいると、必ずどこかで分からないことにぶつかります。
できる人から見ると些細なことかもしれません。ただ、初心者にとっては大きな壁に見えることがあります。
最初にぶつかった壁
僕が一番最初にRPGツクールでゲームを作ったのは、小3か小4の頃です。スーパーファミコンの『RPGツクール2』で初めて作りました。
その時、最初にぶつかった壁が「ボスを倒したのにボスが消えない」という問題でした。
何回も同じボスと戦えてしまう。かっこいいセリフを言って倒したはずなのに、また同じボスと戦える。どうすればこのボスは消えてくれるんだろう、という状態です。
その時は、説明書を読んで、さらにサンプルゲームの内部を見ました。そこで「消えるイベントはスイッチというもので操作しているのか」と分かり、スイッチを学びました。
同じように、ゲーム開始時に自動でテロップを出すにはどうすればいいのか。キャラクターをジャンプさせるにはどうすればいいのか。戦闘中にボスにセリフを喋らせるにはどうするのか。ボスの第2形態を用意するにはどうすればいいのか。
作っていると、いろいろな疑問が出てきます。その疑問にぶつかったタイミングで調べてください。
現代はAIに聞くのが強い
現代なら、分からないことはAIに聞けばいいと思います。
当チャンネルでは、AIはパートナーとして使うことをおすすめしています。ChatGPT・Gemini・Claudeのいずれかは、課金しておくと良いかもしれません。
理由は、調べるコストが大きく変わるからです。
自分で10時間かけて調べるのと、AIに聞いて30分で終わらせるのでは、かなり差があります。ゲーム制作のワークフローを自分で考えておけば、あとはAIに相談しながら進めることもできます。
分からないことを調べるコストを下げられるので、AIはかなり強いです。
ツクールのチュートリアルプロジェクトも使う
最近のツクールには、プロジェクトの新規作成時にチュートリアルプロジェクトを選べる機能があります。
ファイルから新規プロジェクトを作る時にチュートリアルプロジェクトを選ぶと、サンプルゲームを読み込めます。ツクールのイベントがどういう作りになっているのかを学ぶには、これも良い方法です。
4. できるようになったら手間を減らす工夫をする

学習して、作りながら覚えて、分からないことを調べていく。そうして、いろいろなことができるようになってきたら、次にやるべきことがあります。
それが、手間を減らす工夫をすることです。
知識を更新すると効率化できる
できることが増えてくると、イベントの数が長くなったり、スイッチや変数がどんどん増えたりします。つまり、仕様が複雑になっていきます。
そこで知識をアップデートしていくと、「以前やっていたこのイベントは、実はこのコード1つで書けたんだな」と分かるようになります。
たとえば、主人公の位置の座標を調べる時に、イベントコマンドの「指定位置の情報取得」を使うと、変数を使って2行のイベントが必要になります。
一方で、スクリプトを書けば1行でまとめられることがあります。しかも、その時に使っていた変数も使わなくて良くなる。
知識が増えると、同じ処理でももっと楽な書き方が見えてきます。
未来の自分が読める形にしておく
これはかなり重要です。特に、配布や公開、販売を考えている方は意識しておいた方がいいです。
たとえば作品を販売して、1年間はまったく売れなかったとします。ところが2年目に急に売れて、そこでバグが発見され、「進行できないんですけど」と問い合わせがたくさん来る。
その時、1年前や2年前に作ったゲームのプロジェクトを、どれだけ覚えているでしょうか。
初心者の頃に作ったぐちゃぐちゃなプロジェクトほど、1年後、2年後に見た時に解読できなくなります。子供の頃に書いた走り書きのメモを、後から見ても何を書いているか分からないのと同じです。
だから、もっと効率的な方法が分かったら、その都度アップデートしていく。もっと言うと、自分以外の誰かがデバッグできるぐらい分かりやすくしておくのが良いと思います。
まとめ
RPGツクール初心者がまずやるべきことは、次の4つです。
- 学習する ― 知識がないと、間違った方向に走り出してしまう
- 作りながら覚える ― 適当でいいから、行き当たりばったりで作ってみる
- 分からないことを都度調べる ― AIを使うと、調べるコストを大きく下げられる
- 手間を減らす工夫をする ― 1年後の自分が見ても分かりやすいプロジェクトを目指す
ちなみに、ゲームを作るのにツクールでなければいけないわけではありません。Godotのような無料のオープンソースのツールもあります。
RPGを作りたいのか、アクション系なのか、横スクロールなのか、3Dなのか、ホラーなのか。ジャンルによって、何が最適かは変わります。そのあたりは、また次回詳しく扱います。
また、最近はAIで3Dモデルが作れるようになってきていて、質もかなり高くなっています。前回のニュース配信でも「今年は3D制作がすごく簡単になる年かも」という話をしましたが、まさにその通りで、ゲーム素材を作るハードルは下がっています。
一方で、2D系の歩行ドットグラフィックなどは、まだAIでは作りにくいところがあります。そういう意味で、オールAIで作るならGodotなどの方が向いているかもしれないので、そちらも学習してみようかなと思っています。
どうぞ参考程度に。

